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ともやのスペイン通信 - 第76号 我慢は美徳にあらず

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m_perfil.gif第76号 我慢は美徳にあらず2011/05/25 8:33 pm

我慢することは美徳なり…と信じていたが今回は失敗した。

ポルトガルとの国境付近へ取材に出かける予定だった前夜。鳩尾(みぞおち)が締め付けられ、しゃがみこんで耐えた。2、3日前から急に気温が上昇し、一足早く夏がやってきたような陽気だった。散歩の折、予想外の瞬間に息切れを感じたり、体に脱力感が走り抜けたりするなあと意識しながらも、暑気あたりでもしたんやろうと軽く考え朝を迎えた。

肩から腕にかけて鉛のように重い。ホテルは今回に限って食事込みの予約をしてあった。一泊分のキャンセル料は馬鹿臭かったが、外出する気力はすでに薄らいでいた。

二晩目もまんじりとしなかった。座っているといくぶん楽だったのでベッドとリラックスチェアの間を行き来していた。夜が明けた。パソコンを立ち上げ、暑気あたりの対処法などを読みながらじっと我慢をしていたが、11時頃から鳩尾の圧迫感に加え、どうにも呼吸が苦しくなってきた。外国で受診する不安は最高潮にあった。しかし幸いにも友人の心臓外科医と娘との間でわしの容態に関するチャットでのやり取りがあって、彼のすすめに従おうと思った。ついに地域の医療センターに連絡をとり一般医の往診を依頼した。

かけつけてくれたドクターが胸や背中に聴診器を何度もあてたあと「救急車を呼んだほうがよさそうです。電話を貸してください」という。ドクターと入れ替わるように赤十字の救急隊が着いたのはそれから15分足らずあとのことだ。スタッフは5名。すぐに酸素吸入器をあてがわれ、椅子に座ったまま一通りの検診を受けた。30分後には担架で市立病院に救急搬入された。

血液検査、心電図、胸部レントゲン…検査測定が迅速におこなわれた。検査のたびに車椅子で移動、通路で待たされたものだが、1時間のちにはだだっ広い応急治療室に寝かされていた。

担当医の最初の一言は muy grave (重態)。来院が遅れたわしの釈明にはなんの責任を負わせるような態度はみせず、「与えられた条件のもとで最大限の努力をします」との明快な言葉とともに、わしの肩をぐっとつかんだ女医さんに命を託する決心がついた。

2人の女医さんが検査資料を検討し意見交換をしていた。マドリー市内にある心臓循環器の専門病院に電話連絡をとり指示をあおぎながら手際よく次々と処置してくれた。こうなったらまな板の上の鯉と覚悟は決めたものの、人差し指にまで激痛の走る注射を打たれ、コック付のビニール管を両手首に、自動排尿管を膀胱まで差し込まれ、、、大嫌いな注射は何本うたれたことだろう。生きた心地がまるでしなかった。

待つこと1時間ほどか。マドリーから到着したICU車に乗せられ17Km離れた専門病院へ転院。午後6時には集中治療室の7番ベッドの人となった。

4年前は脳梗塞だった。このたびは心筋梗塞。肺に溜まった水の除去、心不全・腎不全の応急手当を受け、カテーテル検査・治療もやり、5日後に一般病棟へ。さらに10日後に退院した。

我が家に戻ってからも数日間は夜が地獄だった。睡眠というか、無意識に落ち込んでゆく直前の恐怖心と不安感に襲われ不眠に苦しんだ。考えてみれば、こんな苦しみも意固地のやせ我慢からきたものだ。このたびはさすがに懲りた。病気らしき症状があるときは、どうか素直に受診されることをみなさんにもお奨めする。

力の蘇りを実感できるようになった日々。ゆっくりと立ち直ってゆきたい。[つづく]

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