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第三章イベリア豚

「イベリア豚」のスケッチ

プラド美術館の別館に十九世紀美術館というのがある。以前、ピカソの『ゲルニカ』が展示されていた建物だが、『ゲルニカ』がソフィア王妃芸術センターに移されたあと、日本人観光客はほとんど行かなくなってしまった。

古いことになるが、そこで私は新古典派のホセ・マドラッソの描いた『ビリアットの死』という絵に出あった。そのとき私はビリアットの履いているサンダルになにか違和感を抱いた。この履き物はローマ式ではないか、ルシタニア族の履き物ではないぞ!?と。

ビリアット(?~紀元前一三九年)はケルト・イベロ族の言葉で「腕輪をした者」を意味し、イベリア半島に侵入してきたローマ軍と8年間にも渡って戦ったルシタニア(スペイン西部からポルトガルにかけて)の酋長で、その公平無私な人柄と勇気は敵側のローマ軍からも畏敬された英雄である。

(三)イベリア豚