思い込みをかたちに

永年、私のテーマの対象とする壁や民家、村などを、出来る限り姿・形を的確に整えな がら具体的にかきうつす具象絵画を続けてきましたが、何となく自分に納得できる境地になりました。

こうなると人間、欲が出るものです。次には、今まで描きたくても描きこめなかった対象物の味わってきた自然や社会環境、特に固有の歴史・伝統などに対する自分の「思い込み」を重点に絵を組み上げたくなってきました。

絵を描くには爆発する精神的エネルギーが必要と言われます。自分にしかない爆発が固有の絵画を生み出すのであって、奇妙きてれつを狙い、これは何だ…と人々を驚かせることに意を注ぐパフォーマンス的狙いはアブストラクト絵画ではないと思っています。

抽象画では、鑑賞者が出来るだけ理解しにくい絵が芸術性の高い作品と錯覚する傾向があるようですが、無対象・非対象で描こうとすれば作家の洞察力から生まれたイメージ画となるので理解は困難になるでしょう。

しかし洞察力で作家の頭にひらめいた素材をしっかりと計算し配置された作 品はピカソのように鑑賞者に理解してもらえるものです。

抽象的絵画では駆け出しの小生。自分の「思い込み」を抽象的であるけれども、まずは有機的な形態や幾何学的形態とした単純な図式化で表現してゆくことにしてみました。

教会のイラスト2006年初秋 澤口友彌教会のイラスト